豊中地区一般労働組合をつくつた人のブログ

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キャリア教育を人民のほうに!ー『「コミュ障」の社会学』を読んで

最近、『「コミュ障」の社会学』という本を読みました。めっちゃいい本でした!

この社会のなにがダメで、なにが息苦しいのかなぁと思って、さまざまな本を読み、ついには左翼になってしまいましたが、これはすごくためになった。

いまの社会はキャリア形成が、学校ー企業という「場所」でしか認められず、履歴書に空白があればマイナスになってしまうような世の中です。

そういう「場所」からこぼれ落ちたら、もう落ちこぼれになっちゃうから、みんなその「場所」にしがみつく。そこから離れられず、言うことを聞くしかない。これを「中間共同体全体主義」と言います。

しかも、ノリに合わせて会話を弾ませることができない「コミュ障」というやつは、その「場所」にさえいれない!とこの本は告発します。企業社会に入る前の学校社会の閉塞を解き明かしてる点で「熊沢誠ゼロ」って感じ。著者は不登校の専門家。

現在の地域ユニオンなど闘う労働組合が、その重要性にもかかわらず、若者から「あんまりおもしろくねぇなあ」と思われているのは、この「場所」(中間共同体全体主義)を問うことを組織レベルではしていないからでは?と思いました。てか、むしろ、中間共同体つくらな!って言うやん?

「場所」からリストラされてこぼれ落ちた奴を元に戻すか、和解金をとってやめさせるかしか主な闘争方法がないから仕方ないけど、やっぱり「中間共同体全体主義」と闘う方法が提示できないと、日本を闘う国にするのは難しいのではないか?

この「中間共同体全体主義」ですが、やはり学校や企業という「場所」を歩み続けないとスキルも経験も身に付かないということが大きい原因かと思います。つまり、キャリア形成と大きく関わっています。

ということは、やっぱり「キャリア教育」の問題が根っこにあるんだなと再認識した。いままで教育なんざ偽善だろ、キャリア形成ってなんだよって思ってましたが、蒙がひらかれた。

キャリア形成に問題があるんだな。たぶんこの闘えない国がふたたび闘えるようになるには、職業教習所などをたくさん用意してキャリア形成の仕方を人民のほうに寄せる必要があるなと感じた。

だから、労働組合はもっと学校教育改革家と連携しないといけないと感じた。学校教育改革家の仕事を、労働社会に入っても延長させるような形で。

労働組合という形態にこだわるのは、「資本の専制に最終的に闘えるのは労働者の団結同盟だ」というマルクス主義の教条と、「差別をなくすには、あらゆる搾取制をなくすしかない」という解放同盟の教条をまだ持ってるから。でも、この教条をふりまわすのは、だいぶ先になりそうだ。